2018年4月4日水曜日

水中ロボットMark3を自作しよう ケースのグランド穴あけ

前回のイントロで購入したケーブルグランドを耐圧容器(ケースと呼びます)に取り付けるためには、ケースに穴をあけなければいけません。

前回:イントロとケーブルグランドの購入

購入したAVCのケーブルグランドのデータシートを見ると、取付用の穴は標準12.5mm、12.3mm~12.8mmの間になるようにという風に書かれています。
これは、グランドのケース側のねじがM12で作られているためのようです。
*M12:おねじ側の最大外径部分が12mm、めねじ側の谷部分が12mmになっているねじのこと
使うドリルの径の候補としては、12mm、12.5mm、13mmあたりが考えられます。

AVCのデータシート
MGB12L-05B(またはG)はMネジケーブルグランド(B型/長足)の表にあります。

今回使用したのはモノタロウプライベートブランドの12.5mm木工用ドリル、インパクトドライバ、ドリルチャック、下穴用のドリルです。



大学や高校であれば直立ボール盤+12.5mmの金属加工用ドリルで簡単にできそうですが、そんなものはご家庭に置いておいたら家族から怒られてしまいます。
ハンドドリルで使える工具は6.35mm角の共通受け部を持った工具か、10mm以下のドリルを掴めるチャックが主流なので、10mmより大きな穴をあけるのは地味に難易度が高かったりします。
このあたりの加工の制約がホビイストの悩ましいところです。
安めのハンドドリルを使うと出力が足りず、ドリルが回りません。
新しく買う場合は、最低でもコンセント付の少し大きめのドリル、またはバッテリーが10V以上のものを選びましょう。

ドリルチャックは6.35mm角の共通受け部にストレートドリルを取り付けるための治具です。
手で締められるタイプとチャックと呼ばれる工具を使用して締めるタイプの2種類があります。
写真は手で締められるタイプですが、チャック式のほうがドリルが緩みにくいためおすすめです。

下穴用のドリルは3mm以下のものであれば大丈夫です。
12.5mmのドリルがずれないようにするのが目的です。


まずは寸法を測って穴を開けたい位置を検討します。



今回は1面に3つの穴を開けたかったので、できる限り均等な位置に開けれるような寸法としました。
また、今回の穴あけは多少ずれてしまっても影響はほとんどありませんので、検討した紙を切り出し、張り付けて位置決めの代わりにしてしまいます。

こんな感じです。


下穴用のドリルで穴を開けた後・・・



12.5mmのドリルで穴を開けます。



今回の12.5mmドリルは木工用で、プラスチック加工用ではありませんので、ここで少し無理をしてドリルを押し込むことになります。
ドリルのイメージ図、赤いところが刃です。

左の通常のドリルは、左右に均等に刃がついていますので、押し込んでいくときも左右均等に削れていきます。
刃に角度がつけられていることで、削れ始めもだんだんと負荷がかかっていくようになっています。
しかし、今回のドリルは、片側で外周部分に傷をつけて、もう片側でその内側を削っていくというタイプです。
また、刃に角度がついていないので、非切削材(削りたいもの)に当たった時に一気に負荷がかかります。
木材は柔らかいのでこのようなタイプでも問題ないのですが、プラスチックは粘り気がある材料なので切粉がつながったままになり、大変な負荷になります。

ドリルで穴を開けるとバリがでますので、これをカッターやバリ取りなどで慎重に取り除きます。
失敗して傷をつけてしまったら、リューターで研磨して段差がわからない程度まで磨き上げます。
グランドのゴムパッキン部分が当たるところなので、絶対に段差を残さないようにしましょう。

赤線で囲んだところにある、穴の端が荒れている部分がバリです。



内側のゴム部分はボロボロになってしまうので、全箇所穴を開けた後にまとめて切り抜きました。
グランドの内側はナットがきますので、穴に比べてかなり大きめに切り取っています。

ゴム部分はケースから取り外すことができます。
ふたが当たる部分に傷をつけないよう、注意して作業を進めましょう。
ケースと違い、こちらの修正はできません。


本日はここまで。

EducationalROV Mark3
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